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慶應義塾大学先端生命科学研究所 からだ館

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活動の記録

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からだ館健康大学特別企画「治療に活かそう 患者のチカラ」開催しました!!

 割と天気が良いと思っていた11月でしたが、よりによって荒れ模様に
なってしまった11月28日、本年度2回めの健康大学特別企画
「治療に活かそう 患者のチカラ」を 鶴岡メタボロームキャンパス
レクチャーホールにて開催しました。

 先生方は、暴風の合間を縫って前日からいらしていましたが、
「風がかっこいいねぇ」との感想に、さすが、すごいチカラをもって
らっしゃる!とスタッフは多少ビビリ気味…!?
 当日もあまり天気はよくありませんでしたが、それにも関わらず大勢の
方が来場してくださいました。

 班ごとのディスカッションを予定していましたので、それぞれのお席
についていただき、スタッフの齋藤彩が開会のご挨拶を致しました。
 この企画は、昨年のORF(ORFについては過去のイベント報告を
ご覧下さい)で加藤先生の「患者学」のセッションを拝見した時から、
「この話をぜひ鶴岡の皆さんにも聞いて欲しい!!」とスタッフが切望
していた企画なのです。その経緯を私たちの言葉として、語ってもらいました。


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 今回の講師はなんと3人。「患者」になったことで出会い「患者学」
 で繋がっている皆さんです。患者の持っているチカラってなんだろう?
ということで、最初に重藤啓子さんが体験をお話してくれました。

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 50万人に一人の難病で余命2年を宣告されてから14年が経つそうです。
「病気であったとしてもそれを発信することで社会が変わっていき、生きやすく
なっていく。治療に関しても自分らしさを主張し、新しい治療法を医師と模索
することで今後の患者さんの治療法が開拓できるかもしれない」というお話
でした。自らを モンスターだ とおっしゃられていましたが、パワフルさは
病気を感じさせないものでした。

 後庵正治さんは「傾聴」の先生です。加藤先生の提唱する「患者と医療者
の水平な関係」に感銘を受けて、「傾聴姿勢」を通じて医療者と患者の
コミュニケーションを図ることが大事ではないかと、各地で講演されて
いるそうです。「傾聴」にはただ聞くだけではない技術や技能、知性や
人間性も必要で、ことばだけではないコミュニケーションも重要である
とのことでした。


 加藤眞三先生からは、「高齢化社会になり慢性疾患が増加している
ことが、今までの医療者と患者の関係を揺らがせている。患者も医療者
に依存せず、対話を通じて医療者とともに治療に加わることで、管理
する医療から協働する医療に転換し、時代が求めるより良い医療に
繋がっていくのではないか」というお話をしていただきました。

     

 後半は、からだ館で主催している がんサバイバーのサロン「にこにこ
倶楽部」のお二人から、にこにこ倶楽部の活動の紹介やご自分の体験を
語っていただきました。おなじ患者の立場で集まって話ができることが
どれだけありがたいか、患者の立場だからこそ共感でき、それが力になる
のだというお話でした。

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 じつは、このにこにこ倶楽部の皆さんには、我々スタッフがいつも
感心させられるのです。まずは治療を乗り越えてこられたこと、同じ
病気の仲間を形のあるなしに関わらず励まし続けていること、その体験
を医療者にも語ることができること、そしてその話を聞いたものに確実に
「気づき」を与えてくれること。すばらしい方たちなのです。

 自発的なサークルのお話に、重藤さんが「すばらしい!持ち帰ります!!」
とおっしゃってくれました。

 最後に、加藤先生からお題をいただいて、グループでの話し合いを行う
時間がありました。いろいろな意見があることに気が付き、答えは一つで
はないけれどもそれぞれを聞き合うことの良さを体験しました。


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 事前と終了後にアンケートを書いていただきましたが、実に様々な
回答がありました。少しずつ患者の声を聴いてもらえるように、それ
ぞれがより良い医療を受けることができるように、気づいたことが
たくさんあったようです。


「患者に学び、患者も学ぶ」これが患者学のスローガンだそうです。
私たちからだ館も学び続けなければ!と思いました。

 
 加藤先生、重藤さん、後庵さん、にこにこ倶楽部のみなさん、
参加者のみなさん、おいでくださってありがとうございました。

 これを機会に「患者学 続編」につながればいいなと思います。


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