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慶應義塾大学先端生命科学研究所 からだ館

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同室の患者は・・・戦友?

 先日「からだ館」勉強会、『働くがん患者さんの話を聞く会』を開催しました。
がん患者さんの参加は少人数ではありましたが、予定時間をオーバーするほどの
熱い語りあいになり私も自分の病状や病室での出来事などを回想しながら、参加して
下さったみなさんを戦友のような気持ちになってお話を聞いていました。
聞いてるあいだ入院中同室だった人たちの事を思い出しました。
 6年前に初めての手術を終えて入院した病室は6人部屋でした。
3人と3人が「川の字」にベットを並べカーテン一枚で仕切れた室内は初めての私には
戦時中の野戦病院のように感じられました。私はまん中の位置のベットで両どなりの
人たちには大変善くしていただきましたが、夜は「いけません!」2人とも「いびき」が
凄く夜な夜な飛行機が空襲しにきているようなベットポジションでした。
 3年前に入院した時は会話をするようになった同室の20代の患者さんが病名が特定できず
関東地方のがん専門病院へ転院することになりました。県下でも優れた医療水準の
大学付属病院で病名が特定できないのはとても不安だろうと思いました。
また、30代の患者さんは独身でしたが精巣のがんで将来子供が出来ないかもしれない
と告知されたそうです。自分の未来予想図が一つ描けなくなったようだと言っていました。
 入院していて一番ショックだったのはとなりのベットにいた方が、手術後に亡くなられたことです。
手術をおえて個室で回復に努めていた矢先に病状が悪化し亡くなられました。
廊下で奥さんが必死で手を合わせ祈っている姿を見ました。その時、私は本当の「祈る」という
おこないを見たと思います。
 同室で会話を楽しんだ人たちはどうしているだろう?まだ、息災かな?
自分の過去を振り返るいちにちとなった『働くがん患者さんの話を聞く会』でした。